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Dr.吉木のワンポイントアドバイス
第1回 心と体のバロメーター「皮膚のしくみと役割」

こんにちは。 「よしき皮膚科クリニック銀座」の吉木伸子です。
今ちまたには美容情報や化粧品も過去にないほど氾濫しています。でもほんとに自分の肌を理解して化粧品を選んでいる
方は少ないようです。(何年も向き合ってきた肌なのに意外にその仕組みを知らないままお手入れをしていたり、スキンケア
の基本を知らないまま化粧品だけを買い換えてみたり。)
よい化粧品さえ見つかれば、ずっとキレイでいられるというものでもありません。美肌は、自分でつくっていくものです。
毎日洗い、栄養を与えて、大切に育てていくものなのです。そのためには、肌の性質と化粧品の基本を知ることが大切です。
第1回の今回は皮ふと心と体のつながり、皮ふのしくみと役割をご案内します。

皮脂チェッカー

  風邪気味だったり、疲れていたり、ちょっとした体調の変化でも、顔を見ただけでわかることが よくあります。
肌というのは、体内の変化や心の動きまでも微妙に反映しているからです。
体を覆っている皮膚は、単なる一枚の皮ではなく、常に代謝し、神経やホルモンの影響を受け、 また暑さ寒さなどの外界の状況にも反応してさまざまに活動している、生きた臓器です。重さは成人では約3キログラムもあり、人体では最大の臓器なのです。

   毎日見て、触っている皮膚ですが、その構造や働きをきちんと知っている人は、実際、少ないようです。美しくて健康な皮膚を保つために、まずは皮膚のしくみを理解しましょう。

心と体のバロメーター
皮膚は大きく分けて表皮と真皮の2層からなっています。表皮の細胞はケラチンというたんぱく質でできており、常に深いところで新しい細胞が生まれ、古くなった細胞は死んで角質となり、最後はアカとしてはがれていきます。こうして表皮は約28日間で生まれ変わっており、これを「ターンオーバー」といいます。 このターンオーバーがあるために、表皮は絶えず入れ替わっていることになります。髪の毛や爪が生え変わっているのと同じです。表皮は、ターンオーバーがあるために、少々傷ついても、ほぼ完全に修復されます。
真皮は、おもにコラーゲンという繊維状のたんぱく質からできています。美容の世界では、すっかりおなじみになったコラーゲンという言葉ですが、これは、真皮の弾力を保つ、ゴムのような繊維だと思ってください。この繊維が年齢とともに、古くなったゴムのように
もろくなることがしわの原因です。
コラーゲン自体は細胞ではなく、繊維です。繊維芽細胞という細胞から作り出される繊維なので、普通の細胞のように生まれ変わることはありません。古くなったコラーゲンが分解されて、繊維芽細胞によって、あらたに作られることで、非常にゆっくりと新陳代謝していますが、真皮のコラーゲンがひと通り生まれ変わるのに、約2〜6年かかるといわれ、表皮に比べると、途方もなく遅いわけです。

  したがって、真皮にまで及んだ傷は、完全に修復されることは難しく、あとが残ってしまうことがあるのです。私たちがしているスキンケアは、ほとんどが表皮に対するものです。表皮の一番上にある角質層部分、つまり、アカとなってはがれる寸前の死んだ細胞の層に当たりますが、ほとんどのスキンケアは、この角質層までしか到達しません。真皮の部分には、 表面からでは化粧水も何も、ほとんど浸透しないようにできているのです。これは外界から体を守るために、皮膚には「バリアー機能」という働きがあるからなのです。

本当は、春夏に美白すればよいというものではない

 子供のころからの紫外線の積み重ねがシミを作るので、「あせも」のように、夏にできて冬に消えるものではない。しかし実際には、秋冬になると美白剤の多くが店頭から消える。空前の美白ブームと言われるここ数年においても、日本ではやはり季節感の方が、大事らしい。そもそも、ダイエットも夏だけすればよいというものではないし、乾燥ジワ対策も冬だけすればよいというものではないのだが、どうも、季節を無視した企画はウケないらしい。
しかし、日々シミ相談を受けていて、最も疑問に思うのは、このような美白競争の過熱ぶりと、女性たちの意識の間の温度差である。まず、10種類の美白成分のうち、ビタミンCとプラセンタ以外のものを知っている人は、ほとんどいない。メーカーが聞いたら卒倒しそうだが、事実である。
要は、女性たちにとっての美白トレンドというものは、「春夏のファッション」と同じなのかもしれない。とりあえず今年は美白ブームだし、流行り物はおさえとかなきゃね、というようなノリである。
だからメーカーも、毎年新しいものを出さざるを得なくなる。10人の会員の顔ぶれがそうそう変わらないだけに、成分で新しさを打ち出すことは難しい。となればどうしても、見た目の斬新さが必要になる。それであんなにスポッツものやら1週間集中美白セットやら、変わった形状のものが毎年発表されるのだろう。ここ数年の、「春夏の美白」新作発表会などは、ミラノコレクションさながらの派手ぶりである。
でも、スキンケアはファッションではない。そもそも美白成分などの化粧品の有効成分は、そんなに毎年ごろごろ開発されるわけではない。ひとつの新成分を研究して商品化するには、何年もかかるものなのである。だからファッションのように毎年新作発表会をすること自体に、実は無理がある。
医学的に評価が高い美白成分は、カモミラと天草エキス、ビタミンC誘導体である。これらを含む美白美容液を、長く使い続ける方が、ころころ目移りするよりよほど肌のためである。健康法だって、続けてなんぼのものだろう。
もっとじっくり、腰をすえて、自分の肌の未来を見据えることを考えよう。
※参考著書:山海堂「肌の不安解消BOOK」第1章「肌の基礎知識と基本の手入れ」より
Dr.吉木のワンポイントアドバイス
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