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Dr.吉木のワンポイントアドバイス
第7回 大人のニキビ戦略〜大人のニキビの真実
こんにちは。 「よしき皮膚科クリニック銀座」の吉木伸子です。
大人のニキビの相談が増えています。皮膚科に来れば治ると思っている人も多いようですが、実際にはそう簡単にはいきません。
そこで今回は大人のニキビの真実を知って、大人の女としてエレガントに対応してもらえるお話をしたいと思います。


転載元:集英社「スキンケアの真実・美肌ルネッサンス」第3章より

エレガントのすすめ

 「ニキビがなおらないんです」
大人のニキビの相談が美容皮膚科で急増している。中には「ニキビが出る=化粧品が合っていない」という観念にとりつかれて次から次へと化粧品を買い換える人があるが、これは間違いである。大人のニキビは内面からくる要素が大きいので、化粧品はあまり関係ないことが多い。
 ニキビが出るからとゴシゴシ洗って顔じゅう干物みたいに乾いていたり、30分もにらめっこしてしらみつぶしにニキビをつぶしてみたり、ニキビが窒息するほどにコンシーラーで塗りこめていたりしては、大人の女のメンツにかかわる。
大人のニキビ自体はたしかにエレガントではないが、それに対する大人の女はあくまでもエレガントでありたいものだ。

ニキビは薬をぬっても変わらないと心得る

 ではどうすればよいか。
 まず、「できてしまったニキビを治そうとしても無駄である」という事実を認識してもらいたい。ニキビ治療というのは、新しくできないようにすることに主眼が置かれるものであるが、実際には「ニキビができてしまったので、何かいい薬はないですか」と言われることが多い。しかし、それは「火事になってしまったので、何かいい消火器はないですか」と言っているのに等しい。もちろん、消化も大事だが、出火しないことの方が100倍大事であることはおわかりだろう。実は、できたニキビは薬を塗っても塗らなくても治る速度に大差はない。髪の毛を早く伸ばすことができないのと同じで、皮膚を早く再生させるということは、不可能に近い。では、ニキビの火元を断つ良い方法は何か。

ニキビの原因は免疫低下

 睡眠不足、食事の偏りやストレスなどがニキビを作るということは、みなさん漠然と知っているだろう。それをなおざりにして外からばかり治そうというのは矛盾している。
「皮膚は内臓を映す鏡」と言われ、体内の状況のすべてを反映している。ミカンやリンゴだって、中身が腐っていて外の皮だけつやつや、なんてことはない。

毛穴が詰まるからには、洗顔の仕方か何かに原因があるのではと思う気持ちもわからなくはない。しかし、毛穴の出口はホルモンやアクネ菌の影響で角化して詰まってくるので、外からよりも体内バランスを整える方が、実は詰まり予防に役立つ。

 アクネ菌が目のかたきにされることも多いが、これはいわゆる皮膚の常在菌であるし、誰にでもついている善玉菌である。その善玉菌が暴れ出すのは皮膚の免疫低下によるものであり、免疫低化を起こす原因が、何か体の内面にあるのである。



 「でも特に変わったことはしてないんです」とはよく聞かれる患者答弁である。しかし、睡眠不足でも食事の問題点でもささいなことでも積み重なって肌の抵抗力を落とす原因にはなる。「不規則な生活はもう何年もだけど、ニキビは2ヶ月前からです」などと言うのは「酒は何年もだけど肝炎は先月からです」と言っているのに等しい。
生活が不健康だと、ホルモンバランスは必ず乱れる。月のサイクルは子孫を残すためにあるのだから、心身にゆとりがないとその機能は低下するようにできている。


自分の中の火種を探そう

 肌の抵抗力に不可欠なホルモンが乱れてしまうと、いかなるスキンケア戦略も焼け石に水である。火事を出すたびに消火器を買いに走っている人は、まず自分の中の火種を探そう。深夜の長電話やだらだらしたメールをしていないか。また、簡単だからとパンや麺類などの炭水化物に偏った食事をしていないか。これらが独身OLによく見られる火種である。
 ホルモンバランスを正常に保つにはやはり、規則正しい生活、ストレスをなくす、などお決まりの解決法になってしまうが、なかなかそうもいかない働く女性にポイントを伝授すると、まず寝不足&寝だめを繰り返すのだけはいけない。ホルモンは体内時計で回るので、時計を狂わせてはいけない。そしてぼうっとする時間を持つ。忙しくても、5分でいいから、ゆとりの時間を作る。交感神経の緊張を緩めるためである。食事は抗酸化作用のあるものをとる。緑黄色野菜をとるとよいが、外食が多いと不足しやすいので気をつけよう。ニキビを撃退しようとこすったりつぶしたりしても決して美肌は生まれない。ニキビを憎んでも人を憎まず、自分自身をいたわることこそ真の美肌道である。


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